#04 こんにちは爬虫類脳

by | 「好き!」の解体

カラフルな水着日光浴

第2章 爬虫類脳 第2部

もう一度リストに軽く目を通して記憶を新たにしたら、早速写真を見ていきましょう!

ポジティブ・リスト

  • 暖かく適度に明るく照らされている場所
  • 温暖な気候
  • 甘い味や匂い
  • 彩度の高い(鮮やかな)色
  • 心地よい音
  • シンプルなメロディーやリズム
  • 調和のとれた音や音楽
  • 優しい肌触り
  • 微笑んでいる顔
  • リズミカルなビート
  • 見た目が魅力的な人
  • 左右対称なもの
  • 丸っこいなめらかなもの
  • 官能的な感覚や音や形
  • 暖かく適度に明るく照らされている場所
  • 温暖な気候
  • 甘い味や匂い
  • 彩度の高い(鮮やかな)色
  • 心地よい音
  • シンプルなメロディーやリズム
  • 調和のとれた音や音楽
  • 優しい肌触り
  • 微笑んでいる顔
  • リズミカルなビート
  • 見た目が魅力的な人
  • 左右対称なもの
  • 丸っこいなめらかなもの
  • 官能的な感覚や音や形

ネガティブ・リスト

  • 高さ
  • 予想外の突然な音や眩しい光
  • 迫りくる物体
  • 極度の熱さや冷たさ
  • 暗闇
  • 極度に明るい光
  • 大音響
  • 何もない広大な平地(砂漠)  
  • 鬱蒼とした地帯(ジャングル・森)
  • 混雑した場所
  • 腐敗臭
  • 腐りかけの食べ物
  • 苦味
  • 尖ったもの
  • 突然のきつい音
  • 軋むような不調和音
  • 不恰好な肉体
  • ヘビやクモ
  • 排泄物
  • 他人の体液
  • 吐瀉物
  • 高さ
  • 予想外の突然な音や眩しい光
  • 迫りくる物体
  • 極度の熱さや冷たさ
  • 暗闇
  • 極度に明るい光
  • 大音響
  • 何もない広大な平地(砂漠) 
  • 鬱蒼とした地帯(ジャングル・森)
  • 混雑した場所
  • 腐敗臭
  • 腐りかけの食べ物
  • 苦味
  • 尖ったもの
  • 突然のきつい音
  • 軋むような不調和音
  • 不恰好な肉体
  • ヘビやクモ
  • 排泄物
  • 他人の体液
  • 吐瀉物

*Norman, D. A. (2005). Emotional design: Why we love (or hate) everyday things. New York, NY: Basic Books.

爬虫類脳探索の軌跡

ここからは、私自身が自分の爬虫類脳を確かめるために、アルバムをさかのぼって探索した軌跡をご紹介します。

この爬虫類脳の直感レベルは、長い長い進化の過程でゆっくりと形成され、万人が生まれながらに備えている感覚ですので、私の探索の軌跡をたどることで、同時にご自身の直感レベルも確認いただけるはずです。

もちろんどなたにも過去の記憶や思い出もあれば他の2つの脳の絶え間ない介入もあるので、あるいは共感いただけないポイントもあるかもしれません。ですが、この人は一体何を言っているんだ!という強い度合いの反対意見は出ないのではないかと予想します。

14 の事例をご紹介します。では早速見ていきましょう(括弧は写真の枚数です)。

トータルで 15 の事例、25 枚もの写真をご覧いただきました!お付き合いいただきありがとうございます。

ハエの写真などいささかお見苦しいものをお見せしましたが、これが蝶の食事場面なら、なんら不快感はなかっただろうと考えるとおもしろいですね。

カラフルな蝶が花の蜜を吸っている——額縁にでも入れたくなるような絵です。でも両者(両虫?)とも同じこと、つまりただ食事をしているだけ。別に蝶が人間に愛嬌を振りまいているわけでもハエが嫌がらせをしようとしているわけでもないのです。言ってみれば、私たちのバイアスがかかった反応です。

ですが進化の過程でポジティブに関連付けてられてきた美的性質を蝶や花が持っていて、ハエやその食べ物が持っていない。それ故に私たちの反応がポジティブかネガティブかに分かれてしまう。

良くも悪くも、この直感レベルではパターンマッチングにより判断が行われているのです。

好みへの反映の仕方

爬虫類脳がつかさどるこの直感レベルは、生物学的反応ですので、国境を越えて世界中でほぼ同じ反応が期待できます。そのため、商品開発や改善において、応用が一番簡単という印象を受けがちです。たしかに残りの二つに比べるとそう言えるとしても、この知識はあくまで指針として使うことが鍵となります。

その理由は、直感レベルの反応がそのまま好みに反映されるわけではないからです。言ってみれば、直感レベルの反応が一次反応だとすれば、他の 2つの脳を介した二次反応が最終的な好みの決定には関与してくるからです。

たとえば鮮やかな色を例にとって考えてみましょう。

パキッとした鮮やかな色は、万人がポジティブに反応するため、子供服やおもちゃ、公園の遊具によく使われます。しかしその反動で、大人になると分かりやすい原色は子供っぽく感じ、少しくすんだニュアンスカラーを好むようになったりするものです。かと思えば、大人だってスポーツやエクササイズの場面では、男性も女性も普段は身につけないようなビビッドな色を着たりします。私の友人でジム好きの男性は「僕がワークアウトが好きなのは、人に変な目で見られずに堂々と蛍光色が着られるからだ!」と断言していました。

万人好みする色に対するリアクションの微妙な差異

このことから分かるように、ポジティブリスト・ネガティブリストは、画一的に適用するのではなく微妙な意味合いに注意を払いながら応用することが鍵なのです。

あなたの番:直感レイヤー解体

さて、ここまで見てきたなかで、あなたの「好き!」は少し解明されましたか?

 最初に思い浮かべたあなたの「好き!」なもの、リストに照らし合わせると何が該当しましたか?

私の場合タオルでしたが、一つ解明しましたよ。

該当項目:優しい肌触り

私が心惹かれた新しいタオル特有のふわふわと柔らかい手触り。これはポジティブ・リストの「優しい肌触り」が当てはまります。どうしてふわふわのやわらかい手触りを、私は好ましいと思うのか?と疑問でしたが、ノーマンの言葉を借りると、それは進化の過程で暖かさと保護を与えてくれたからなんだよ、ということなんですね。

次に見ていくレイヤーは私たちが哺乳類やいくつかの脊椎動物から受け継いだ旧哺乳類脳です。群れで生活する動物たちから受け継ぎ、私たちの日々の行動や社会的な交流に大きく関わっているこのレイヤー。ここは直感レイヤーと同様に無意識の領域です。

さて、このレイヤーは、私たちとプロダクトの関係にどのように影響しているのでしょうか?